大先輩「朝瀬、昼トロ、夕上がりって知ってるか」
八幡「あさげ…トロ…ガリ?……寿司っすか?」
怒られました。
渓流釣りを初めて3年目の時でしたよ。
よく聞こえなかったんだもん。
どうも、八幡です。
「朝瀬、昼トロ、夕上がり」とは鮎釣りの格言で、時間帯によって釣ると良い場所を示しています。正確には「夕上がり」ではなく「夕のぼり」というみたいですね。
鮎釣りの格言ですが、渓流釣りにも当てはまるんだよ、と教えたかったみたいです。
スイマセン、八幡の空耳性能は中々のモノでして…。
と言うことで、今回は渓流魚が川のどの部分、どのような流れに居着きやすいのかを見ていきたいと思います。
川の流れの名称
川には当然水の流れがあります。その水の流れも川の形状に合わせて色々あります。
急だったり穏やかだったり、真っすぐだったりカーブしていたり、沈み込んでいたり浮き上がっていたり...。
その中でも名前がつけられていて、魚が居着きやすい…「定位」しやすい場所はある程度決まっています。渓流釣りに興味のある方、本格的に始めたい方は覚えておいて損はありません。
流れの大別
渓流釣りでよく大別されるのが「瀬」「淵」「トロ場」です。
・瀬
水の流れがあり、岩や石などに当たり流れが急になっている場所。「浅瀬」などの言葉は聞いたことがあるかと思います。浅瀬は水の流れが早く浅い場所。深くて流れが急なところは「急瀬」などといいます。
餌となる虫などが流れてきやすいため、基本釣れやすいポイント。
ただし流れが急なため、春先など渓流魚の体力が戻ってきていない時には逆に釣れにくい。
・淵
水深が深く、底の流れがよどんでしまう場所。
ほとんど流れがないため、増水時の魚の避難場所。
また泳ぐのに体力を使わずにすむため、越冬場所となります。
シーズン開幕当初は、ここに居着く個体の口元に餌を届ける必要があります。
・トロ場
腰や胸程度の水深があり、穏やかに水が流れている場所。
餌は流れてくるが、泳ぐのにそれほど体力は必要ない。
オールシーズン狙っていけるが、やはりシーズン開幕当初はねらい目。川底に定位することが多い。
水流が穏やかなため、餌をできるだけ自然に流してやるのが腕の見せどころ。
・〇肩、〇尻
大別された「瀬」や「淵」などにの後に「肩」や「尻」とつけて、始めと終わりと表すことがあります。
「瀬肩」であれば瀬の始まりで、「瀬尻」であれば瀬の終わり。もちろん淵肩や淵尻などもつかいます。
川の形状での名称
渓流では「瀬」「淵」「トロ場」などの他に、川の形状によっても多くの名前がつけられています。
「落ち込み」「かけあがり」「滝」等ですね。
他にも釣れるポイントとして、覚えておいてほしいのが「岸際」「合流地点」です。
・落ち込み
淵やトロ場などの水の溜まったところへ、ある程度の高さから流れ込んでいるところを言います。大抵岩や石によって、流れが狭められて流量がふえるので、落ち込みを受ける地面の方はえぐられていることが多いです。大物はこの中に潜んでいることがあります。
落差があるため白い泡がたち、酸素が十分に供給されている場所。そのため魚の活性は高くなります。
高さがないところは単に「流れ込み」とよんだりもします。
・カケアガリ
「ウケ」と言ったりもします。
落ち込みがあれば、その分のカケアガリもあります。落ちた分、上がっているのですね。
カケアガリは流速が遅くなるため、渓流魚が溜まりやすい場所です。
・滝
落ち込みの落差が大きいと、自然に滝と呼ばれるようになります。
滝の下には滝つぼと呼ばれる、流れによって削られた大きな窪みがあります。
落ち込み直下同様、この滝つぼの中に大物が潜んでいる可能性が高いです。
しかし、しっかりと重りをつけて流してやらないと、下まで餌が落ちていきません。
常時水しぶきが上がっているため、真夏でも滝周りは寒いことがあります。
・岸際
川と陸地の境界線ですね。
渓流の岸際は藪などが張りだして茂っていることがおおく、そこに住む昆虫などが足を滑らせ川に落ちてしまうことがあります。
その昆虫を狙って、水深のある岸際には渓流魚が定位していることがあります。
・合流地点
本流と支流の合流地点。
川はいくつもの沢が合流して、大きな流れを作っていることが良くあります。その流れの合流地点が狙い目です。
合流地点は両方の流れから、餌が流下してきます。
また本流と支流とでは、支流の方が一般的に水温が低く、水が澄みやすいです。夏場は渓流魚の好みにあっています。
流れの名称
・流心
流れの中心となるところ。流れが一番早い場所です。
一番餌が流れ込んでくるが、泳ぐのに体力を使うため、渓流魚は普段そのわきで定位しているのが普通。
流心の際に餌を流せるように工夫しよう。
・モミアワセ
一つの流れが岩などで二つに割れ、その後岩の後ろで再び一つに戻るときに発生する。川にある岩や石が原因。
複数の流れ同士がぶつかって発生することが多く、流れどおしがぶつかることで流速は遅くなり、魚が定位しやすい。
「ヨレ」ともいう。
・反転流
流心のわきに窪んだ岩盤や大きな岩があると、一部の流れが引っ張られて渦を巻き、流れが反転することがある。これを反転流という。
反転した渦の中に餌が溜まりやすいため、魚が定位していることもある。
・底波(男波、女波)
川の流れは表層の流れより、川底の流れの方が遅い。この流れを「底波」と呼ぶ。
底波は、川底の起伏で生じる浮き上がる流れの「男波」と、沈む流れの「女波」の繰り返しで作られる。
餌はこの底波に乗せるのが基本。
シーズンはじめと中盤以降
解禁直後のシーズン初めとそれ以降の晩春からでは、渓流魚の定位しやすい場所が違います。
解禁直後は雪解け水が沢に入り込み水温が低くなります。さらに、餌が少ない冬の時期が過ぎたばかりで体力が戻っていない個体が多いでしょう。
そのため渓流魚は流れの弱い淵やトロ場に定位することが多いのです。また積極的に餌を追うことは稀で、定位している場所の口元まで餌を流してあげる必要があります。
晩春から初夏以降では水温があがり、体力も戻ってきているため、餌を食べに瀬に良く出てくるようになります。瀬の流心の脇やモミアワセなどを狙い、餌を流してあげると良いでしょう。
また水温の上がる真夏では、本流より温度の低い支流に魚が集まりやすい傾向があることを、知っておきましょう。
先輩が教えてくれた格言「朝瀬、昼トロ、夕のぼり」は鮎釣りの格言ですが、渓流釣りにも通じるのかな?
釣りやすいのだと思いますが、渓流釣りで釣りあがる場合は瀬も淵もトロ場も餌を流しますんで、八幡の場合はあまり関係ないかも。
しかし、効率重視・釣りあがってなんぼのランガンスタイルの方は、参考になるかもしれません。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
八幡でした。