今回の狙いはコインケース。
いわゆる小銭入れ。
うーん、普段使わない身としてはどうにも制作意欲が薄れてきます。
どうも、八幡です。
今回は馬蹄型のコインケースに挑戦してみました。
馬蹄型コインケースは曲線が多く、曲線の切り出しや菱目の打ち方、そして縫い方にいたるまで、「曲線に慣れよう」という狙いがあります。
超がつく初心者八幡としては避けて通れぬ道。
しかし、教科書通りのデザインではなく、ボタンをつけてみることにしました。
バネホックと言うみたいですね。セットに入ってないので、近くの手芸店で購入して来ました。
しかし、この「ボタンを付ける」と言う決断が、まためんどい事になりましたよ~
作成手順
01、型紙作成&目打ち
いつも通り型紙作成から。
今回はほぼ曲線なのでいつもより書きにくいし、切り出しにくいです。
曲線主体の型紙は1ミリ方眼紙を使うと良いのかもしれません。
曲線は1ミリ方眼紙を使えば、たとえ楕円形でも左右対称に合わせてかけますからね。今度使ってみよう。
型紙の切り出しもいつもより難しいです。ここからが歪むと全てが歪む。
しかも今回は重ね合わせが多いです。切り出してから合わせてみて、はみ出している所は切っていきました。
バネホックの位置も目印をつけておきます。
右からパーツ1、パーツ2、パーツ3です。
次は目打ちで切り出し線を、革へ写していきます。
油断するとすぐ失敗ので気を付けて。
02、切り出し
切り出し線に合わせて切っていきます。カッターを回転させて切るのではなく、革の方を回転させながら切っていきます。
今回、革単体で動かすよりも、下敷きごと回転させたほうが動きやすい事を発見しました。
作業台の上で回転しても、引っかからない大きさの下敷きを用意したら、今後楽かもしれません。
03、床面の処理
ここまできて、また失敗に気づきました。
床面処理は切り出し前だっちゅーの!
04、ガイドライン引き
ディバイダーを4ミリに合わせて、ガイドラインをひきます。
今回は重ね合わせも考え、パーツ1は銀面に、パーツ2、3には床面に引きました。じゃないと重ね合わせた時に、菱目の角度が反対にずれちゃうので…
銀面にゴム板つけて菱目打ったら、よごれないかな?
…とりあえず大丈夫。汚れてない。
05、コバ処理①
縫ってからコバを磨けない所はここで磨きます。
06、菱目打ち
次は菱目打ち。今回は百均から卓上の電気スタンドを買ってきました。これでガイドラインが見やすくなります。
影になるときはスタンドを動かせばOK。
07、バネホックのための穴あけ
バネホックとは、いわゆるパチンと止める、ボタンのことですね。
下側となる凸金具AとB、上側の凹金具AとBの4つの部品からできています。革の表と裏から挟み込み、専用の打ち具で叩く事によって取り付けていきます。
ここは八幡の経験では、完全に新しい工程です。
まずは取り付けのための穴を、穴あけパンチを使って空けます。モールで思いっきり打ち付けますが……
あけたいのですが・・・
あかねぇ!
力が弱いのか、セットに入っていたパンチが切れないだけなのか?
何度試しても、あきません。
自作の静音菱目打ちの先端をパンチに替えて使っても、あきませんでした。
どないしよう…
とりあえず作業中断。
ネットで調べます。
解決策はこれ。
ロータリーレザーパンチです。ポチりました。
2日の作業中断です。
でもそれ以上の価値がありました。
穴あけ超簡単!
あんなに苦労していたのは、何だったんだー
上の方は二枚重ねて、下の方はパーツ1の一枚だけに穴あけします。
08、バネホック付け
あとは部品を打ち付けて、取付けるだけ……
あれ?どうやって打つんだ?
打ち具の型があいません。
それもそのハズ。セットに入っていたのは「ジャンバーホック」のセット。よくジャンバーについてるボタンですね。
あちゃ〜、打ち具にも専用の型があるんですね。流石に通販でもう2日も待ってられないので、手芸店へ…。
オッサンが手芸店って、結構恥ずかしいんですけどね。
さらに店で打ち具が大中小の大きさ別で売られている事を知りました。考えれば当たり前ではありますが…。
レザークラフト…何気に出費がかさみます。まあ、趣味なんてそんなもんです。
なにはともあれ、小と中を買います。約1200円。
左がジャンバーホックの打ち具、右がバネホックの打ち具(中)。
そして作業再開。
前の工程で開けた穴にバネホックをはめ込んで、打ち具で固定していきます。
09、縫い合わせ
バネホックを打ち終わったら、いよいよ縫い合わせ。
丁寧に菱目をあけたので、ズレたりしない・・・
と思いたい・・・
で、どこから縫い合わせればいいんだ?
教科書的にはどうやら半周づつ縫い合わせていくようですが・・・一周丸ごと塗ったらダメなのかな?
好奇心に負けて一周分糸をとって、一気に塗っていきます。
ながくて、縫いにくい・・・
なるほど。半周づつ縫う意味が早くもわかりました。
でも引き返しません。
縫うだけ縫います。
終盤になって・・・なるほど。
歪みが最後によってきますね。
10、コバ処理②
それでもなんとか縫い終わって、コバの処理を開始します。
まずはズレている部分をカッターで切り取って、サンドスティッカーでならしていきます。
ならし終わったら、水で湿らせてからトコノールを塗っていきます。
そして・・・擦る。擦ります。
頑張って擦りましたが、多分足りないんだろうなぁ。
一応完成です。
完成品
裏と表
閉じたところと開いたところ
バネホックの位置が中心からズレてますね。
そのせいかケース自体の重ね合わせもズレてます。
こうして作ると、お店で売っている商品のクオリティーの高さが分かりますね。
だからいくつも作って慣れていくことが必要なんですね。
学習ポイント
1、仮止めの行程
キーホルダー、ブックカバー、パスケース…と作成して来て、なんとなーく作成手順が分かってきた様な気がして来ました。
だからこそミスします。もともと教科書を流し読みする性格も手伝って、ミスが量産されました。今回どんなミスが発覚したかと言うと…比較するとわかりやすいかも。
02番と03番の手順が逆になってました。革を切り出す前に床面処理ですね。前にもやったミスなのに…。
さらにひどいのは06番。
本来するべき「仮止め」をせずに、今まで菱目打ちを行っていました。
仮止めは革を二枚重ねて作られるような作品…前回のパスケースとか…の時に行います。
ゴムのりなどで、菱目打ちのガイドラインよりも外側を貼り合わせておくんですね。そして、菱目を打つ。こうすれば一度に二枚穴が開く上、ズレる心配がない。
そんなことも知らずに今までアップしていたとは…恥ずかしい!
どうも厚さによっては、一度で菱目が打てないこともあるので、絶対必要な工程でも無いようです。
2、縫い始めと縫い終わりの場所
縫い終わる場所は歪みが最後に集中するところなんですね。
よって縫い終わりをどこにするかも重要。
今回は八幡の気まぐれで縫い始めも、縫い終わりも3枚重ねの場所になりました。
3枚より2枚の方が歪みが寄っても、何とかなりそうです。
縫い始める場所によって、縫い終わる場所も決まるので、縫い始める時は縫い終わりの場所を意識して決めましょう。
3、穴あけ
パンチを使って穴を開けるには大きな音が出て気を使います。
さらに下が硬くないと衝撃を吸収してしまって、革に穴があきません。
パンチを打って穴をあけるなら思いっきり、ゴム板の下は硬いものにしてください。
八幡はあかなかったけど・・・
ロータリーレザーパンチは一発でした。
驚くほど簡単でした。
苦労している方は試してみてください。
そういえば、一応後ろにお札もいれられます。
型紙の作り方や縫い合わせなどの一連の行程が上手ければ、歪みが出ないのでしょう。しかし、今すぐに出来ることではないので、気を付けながら作成せねば。
沢山作って経験してくれば、自然とどこから縫い始めて、どこで縫い終わればいいのかわかるんだろうなぁ。
八幡でした。