思わず前後編になってしまったロングウォレット作り。
予想以上に時間がかかってしまいました。
どうも、八幡です。
自分でもすごく時間がかかって、びっくりしました。
重ね合わさった革が厚く硬いことが、一番の原因ですね。
おかげでブログ更新が1日遅れてしまった(-_-;)
そんな苦労がにじみ出る?後編です。
ちなみに前回はここまで。
必需品
菱ギリ
今回の菱目打ちは、ほとんどを菱ギリで行いました。
ウォレットは、縫い合わせるほとんどの部分が厚く重なっているためです。
菱ギリは、厚い革に菱目を打つ時、数カ所だけ穴を開けたい時、音をたてたくない時など色々な場面で活躍します。
一本でも持っておくととても重宝します。
回転式ギボシ
バイカーズウォレットは落下防止のため、革や金属のチェーンを繋げて使用します。
ウォレットとチェーンを繋ぐ金具がギボシです。
ウォレットによってはDカンやハトメ等の場合もある様ですが、デザインの一部も兼ねてギボシを用いる事が多いようです。
やはりゴツく見えますし、気に入ったものを取り付けると良いかと。
チェーンをつけると防犯にも役立ちます。
作成課程一覧
- イメージ図&型紙作成
- ケガキ
- 床面処理
- 切出し
- パーツ1と2の貼付け
- コバ処理①
- 部品Aの作成
- 部品Bの作成
- ジャンパーホック取付
- 本体と部品A.Bの縫い合わせ
- コバ処理②
- キボシ&コンチョ取付
作成過程
8.部品Bの作成
部品Bは札&小銭入れを構成しています。
さらにもう一つ。
以前作成した「名刺&免許証入れ」を収める部分でもあります。
仮に「名刺入れホルダー」としておきましょうか。
8-1名刺入れホルダー
その名刺入れホルダーに問題が発生。
型紙段階では縫えると思っていた、ホルダーですが、革の厚みで上手く曲がりません。
無理やり縫い付けても、ホルダーに名刺入れが収まらないような気がする(・・;
……よし、作戦変更して、ホルダー部分は立体成型でつくろう!
という事で、まずは内枠作り。
使ったのは百均のプラダン。
多分、プラスチック段ボールの略かな?
カッターで切れるので、木の板で内枠を作るよりも格段に楽です。
ただし、角の細かい調整は厳しいです。
名刺入れと同じ大きさに切った二枚を貼り付けて、厚みを出します。
コレに梱包用のビニールをまいて、内枠の出来上がりです。
外枠は省略し、今回は濡らした革を外側からスリッカーで押し付けるだけにしました。
あんがい外枠はなくてもいけます。
高い精度が必要な時は、外枠も作ったほうが良いかな。
ここで乾かさねばならないので、また時間がかかります。
乾いたら菱目を打って、余分な革を切り離します。
これでホルダーはOK。
8-2小銭入れ
次は小銭入れ部分。
こちらも紆余曲折しました。
最初はマチを切り離していませんでした。
しかし、革の厚みで折り曲げても、収まりが悪いことが判明。
結局切り離して、マチを作成。
次に縫い合わせの場所を確認していると…
名刺入れホルダーの革と、小銭入れのマチが重なってしまいます。
立体成型にしたからかなぁ。
ホルダー部分が、予定よりでかくなってしまったみたいですね。
・・・まとめて縫えばいいか。
気を取り直して、小銭入れを作っていきます。
蓋を札入れに縫い合わせ、
小銭入れにマチを縫い付けて、
バネホックを取り付けます。
そして、マチとホルダーと重なる部分を札入れに縫い付けていきます。
残りは本体に縫い合わせる時にまとめて縫うので、部分Bはここまで。
部品Aと部品Bを本体に合わせてみると、こんな感じ。
ずいぶん財布っぽくなってきました。
試しに折り曲げてみると…
ずいぶん隙間があります。
仕方ないので本体を1.5cmほど切断。
左(上)が切る前、右(下)が切った後。
うん、丁度良くなった。
9、ジャンパーホック取付
作成した部品A・Bを縫い付ける前に忘れていけないのは、ジャンパーホックの取付けです。
ここを逃すと、ジャンパーホック凸金具は付けれなくなってしまいます。
ゴムのりで貼り合わせていた、本体パーツ1とパーツ2を途中まで剥がします。
ゴムのりは簡単に剥がしたりできるので、こういう時本当に便利。
ホックを取り付けたら、また貼りなおします。
10、本体と部品A・Bの縫い合わせ
本体、部品A、部品Bは一部をのぞき、まだ菱目を打っていません。
というのも、パーツの重なりが多くて、この段階まで打てなかったというのが正解。
そして、パーツの重なりが多くなると、皮が厚くなり、通常の菱目打ちでは表の革を傷つけてしまいます。
そんな時は菱ギリを使いましょう。
革が厚くても一定の太さで穴を空けることができます。
ただ、あけた穴が細すぎるのが欠点。
重なるパーツの一番上に、菱目を打つ場所に目印を付けます。
ディバインダーでガイドラインを引いた上に、菱目で点を打っていきます。
あとはこの上から、菱ギリでまとめて穴を空けていけばOK。
ただし、気を付けなければいけないところが1箇所。
コンチョを取り付けるベルト部分は、外側から縫い目が見えないようにしなければなりません。
しかし、内側はカード入れ部分になるので縫わなければいけない。
解決策は本体を途中まで剥がして、内側のみに菱目を打つことです。
菱目を打ったら、その部分は閉じる前に縫い合わせてしまいましょう。
これで内側は縫われていますが、外側は縫われていないことになります。
菱ギリで穴を空け終わったら、いよいよ本格的に縫い合わせです。
そして、今回これが、苦労しました。
革が厚いせいか、硬くて針が抜けてきません。
仕方ないので、ラジオペンチを使って針を引き抜いていきます。
また、菱ギリで開けた穴が小さすぎるせいか…針が引っかかります。
いままで縫ってきたものは簡単に抜けていましたが、今回はいつもの3倍以上の時間がかかって進んでいきます。
わずか10cm程度の縫い幅に45分かかります。
・・・手がいてぇ!
革職人に男性が多い理由が分かりました(*_*;
全部縫うのに何時間かかっただろうか…
4、5時間くらいかかったかなぁ?
その割には縫い目がガタガタだ~
菱目打ちが左右にズレて失敗しているせいですね…
菱ギリでの穴あけは、より難しいことを実感。
要修行です。
後は面取りして、コバ磨き。
最後にギボシとコンチョの取付けです。
12.ギボシ&コンチョの取付
最後にギボシとコンチョを取り付けます。
少し悩みましたが、ギボシは内側から、ネジの頭が見えるよう、最後に取り付けました。
これで緩んできた時に締付けが出来ます。
早々緩まないでしょうけど…
もし内側に見せたくないときは、ジャンパーホックの凸金具を取り付ける際に、ギボシも取付けてしまいましょう。
ちなみにギボシはネジ式なので、革に穴を空ければ、ドライバー1本で簡単に取付けて可能です。
いつもなら、回転式のパンチロータリーで穴を空けますが、今回は穴が大きすぎました。
6ミリのパンチと自作菱目打ち機で穴あけです。
そしてドライバーで取付。
穴さえ空けてしまえば、ギボシの取付けは簡単です。
最後にコンチョ。
取付けるのはコチラ。
自作の翡翠コンチョ。
ひっくり返して、ドライバー1本で取付。
……かんせーい!!
完成品
コンチョがついている以外、外観はとてもシンプルです。
余計なデザインをつけないで、翡翠コンチョに眼がいくようにしました...ということにしてください。
開くとこんな感じ。
左側の名刺入れホルダーに、すっぽり「名刺&免許証入れ」が収まっています。
これで2つを財布1つで持つことができます。
必要な時には、財布本体と名刺入れが分離可能!
ここが、このロングウォレットの売りです(^-^)
ホルダーの分、小銭入れが小さくなってしまいました。
小銭の取り口が小さい分、取り出しやすくなるよう、少しマチを大きくしました。
なので、使い勝手はそんなに悪くありません。
ホルダーと小銭入れの裏が札入れになります。
ちょっと入れにくいかな。
カード入れはレギュラーが6枚。
その裏にまとめて入れるスペースを作りました。
レシート入れとして使ってもOKです。
まとめ
今回の反省は2点。
実際の革では厚みの分、型紙の想定通りにいかないことがあると実感できました。
分かっているつもりでしたが、作りが複雑になると気が回らなくなっていきますね。
次はもっとイメージしないといけませんね。
そして一番の反省は縫い目がガタガタなこと。
菱目が真っ直ぐ一列になっていないことが原因です。
とはいえ、こればかりは修行しかありません。
シンプルなデザインほど、縫い目は目立ちますから。
お気に入りの翡翠コンチョは簡単に横にも出来ます。
時間はかかりましたが、なんとか完成までたどり着きました。
ホックを取り付け、菱ギリを使って、立体成型を用いて...いままで培ってきたを全部だした感じがします。
次があれば、小銭入れ部分にチャックを使ったものを作ってみたいですね。
そして、縫い目を綺麗にする!!
八幡でした。
ロングウォレット前半はコチラ。
自作の翡翠コンチョはコチラ。