2022.5.12更新
先輩「お、安いじゃん」
八幡「え、どうしたんすか」
先輩「チョット買ってくる」
といって、先輩はホームセンターの激安ウェーダーをレジに持っていきました。
即買いしていた先輩を、ちょっとカッコいいと思ってしまいました。
どうも、八幡です。
先輩は自分のスタイルにあっているのを知っていたのでしょうね。
渓流釣りに必要な装備としてウェーダーがあります。
身体が濡れないため、身体を保護するための必須アイテムといってもいいでしょう。
しかし色々な種類があるため、なかなか分かりにくいです。
少なくとも八幡には即買いはできません。
まあ、八幡の場合は決断力がないだけですが・・・
今回はウェーダーの選び方について、かいていこうと思います。
なので
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渓流釣りに興味のある方
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ウェーダーの購入に迷っている方
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釣りを始めたばかりの方
などに読んでいただけると嬉しいです。
渓流スタイル
渓流の釣り方には餌釣りやルアー、フライ、テンカラなどの種類があります。
その他にも身に着ける装備によってもスタイルが分かれています。
「ウェーダースタイル」「タイツスタイル」「ゲータースタイル」等ですね。
ウェーダーに求める性能と靴底の形状
ウェーダー等に求める性能としてあげられるのは「滑らない」「濡れない」「蒸れない」の3つ。三拍子揃っていることに越したことはありません。
しかし一番重要なのは、と聞かれると「滑らない」になるでしょう。
この「滑らない」を決定するのが、ウェーダーやウェーディングシューズの靴底です。
歩きながら釣りをする渓流釣りでは滑らない靴が必須です。
どのスタイルにしても、靴底の形状は共通して「フェルトソール」が推奨されています。
フェルトとは手芸で使うあのフェルトです。
苔や藻の生えた岩場は、ラバー製の靴底…ラバーソールやスパイクソールでは滑ります。しかしフェルトはその繊維が苔や藻に絡みつき滑りにくくなります。
渓流ではフェルト底一択で間違いないでしょう。
「フェルトピン」という靴底もあります。
フェルトの中にスパイクピンが含まれている種類で、体重をかけるとピンが引っ掛かり、滑りにくくなります。フェルトとスパイクのいいとこどりを狙ったものですね。
しかしピンがあるとその分フェルトの沈み込みが出来なくなり、グリップ力が弱まります。
難しいところですが、迷った時はノーマルのフェルト底を選べば良いと思います。
・ウェーダースタイル
その名の通りウェーダーを着用します。
ウェーダーは「胴長靴」とも呼ばれ、胴まである長靴と思っていただいて構いません。形状は長靴の付いたオーバーオール。
胴まで覆われているので、身体が濡れないようになっています。
胴部分と靴部分が一体化しているため、金額的にはタイツスタイルより安価にあがるのが一般的です。
一体化している形状のため、どうしても空間ができ、足元の密着性が悪くなっています。例えるなら「長靴」。動きまわりが多くなる渓流域~源流域には不向きかもしれません。
・タイツスタイル
ドライタイツやストッキングウェーダーとウェーディングシューズを着用するスタイルになります。
ドライタイツやストッキングウェーダーは、一般的にウェーダーの長靴部分がなく、防水性の生地でタイツ状に覆われています。まさにタイツのような形状で中まで水が侵入しないので身体はもちろん濡れません。
ウェーディングシューズはそのタイツごと履かねばならないため、大き目のサイズを用意しなければなりません。
個別にわかれているため、密着性が良くなり動きやすくなります。例えるならまさに「シューズ」。動きの多い渓流域や源流域向きといえるでしょう。
二つの装備が必要なため、金額はウェーダー一つよりもかかると思います。
・ゲータースタイル
ゲーターとはウェーディングシューズの上につける、スネ当てみたいなもの。
ゲータースタイルはウェーダーもドライタイツも身に着けません。当然濡れます。濡れることを前提としたスタイルで「ウエットウェーディング」とも呼ばれています。
ウェーダーなどの煩わしさから開放され、身軽に釣りができます。超快適。
動きやすさの面からいえば一番源流域に適しているでしょう。
しかし、水深の深くなる本流域〜支流域では確実に不向きです。
またメリットと同時に、濡れるため体温が奪われるなどのデメリットも存在します。
全身を速乾性の高い着衣で固める必要があります。
各スタイルのメインアイテムの特徴
ウェーダーについて
一口にウェーダーといっても、長さや素材でその特性が変わってきます。
長さは主に「チェストハイ」「ウエストハイ」「ヒップハイ」に分かれています。
また、主に使われる素材は「ナイロン」「クロロプレン(ネオプレーン)」「透湿素材(ゴアテックス)」などですね。
長さ別
・チェストハイウェーダー
胸の高さまであるウェーダー。
大抵の釣り師はこちらを使用していると思われます。
やはりポイントを狙おうとすると、深みまで立ち入りたくなりますからね。
ただ胸まであるため一番蒸れやすく、夏場は熱がこもります。
・ウエストハイウェーダー
腰までの高さで、上半身が出ています。
チェストハイより蒸れにくく、不快感が激減します。
ただ上半身を覆っていないため、深場には対応できません。
浅瀬の沢用です。
・ヒップハイウェーダー
片足ずつに分かれており、昔でいう「ゴム長靴」ですね。
着脱のしやすさはピカイチです。
しかし釣り師で着用している人はあまり見ません。
素材別
・ナイロン
最も安く手に入る。
ホームセンターなどの激安品は、この素材だと思って間違いないかと。
防水性があり、耐久性は並。
だた透湿性はなく、間違いなく蒸れます。
夏場は水で濡れることがなくても、汗で濡れます。
脱いだら汗でびっちょり、とはよくある話。
藪漕ぎしても惜しくない価格設定が魅力。
・クロロプレン(ネオプレーン)
ウエットスーツなどに使われている素材。
といっても、防水性があり水は通しません。厚手になるほど保温性もあり、春秋に好まれます。夏場は暑すぎることもありますが、本流域で水に入って立ち回る時には逆に丁度よいです。
鮎タイツなどもこの素材で作られています。体に密着するよう作られているため、脱ぎ着はしずらいです。
2〜4mm程度の厚さがあり、転倒時には若干だが衝撃を吸収してくれます。何気にありがたい。
生地自体の耐久性は一番高く、藪漕ぎも平気です。
透湿性はほぼなく、蒸れ問題はどうにもならないのが欠点。
・透湿素材(ゴアテックス)
水は防ぐが湿気は通す。透湿性能でいえばゴアテックスの右に出るものはいないと思われます。
その分お値段もはります。
間違いなく高性能でできればほしいところですが、はじめの一つとしては高すぎるお値段。少なくとも藪漕ぎの必要がある、源流域での使用はもったいない。
そんな時は、ゴアテックス以外の透湿素材を使ったウェーダーを探すのもあり。
各社とも独自の透湿素材の研究には力を入れいているため、最近はカタログ値ではゴアテックスと遜色ない生地も多く出ています。
源流域で使用を想定するなら、傷ができても惜しくない値段のものを。
性能と価格を比較しながら検討すると良いでしょう。
タイツについて
タイツスタイルは大きく分けて「ドライタイツ」と「ストッキングウェーダー」に分かれます。大きなその形状です。ドライタイツに至っては素材も大体決まっています。
ドライタイツはクロロプレン(ネオプレーン)
ストッキングウェーダーはそれ以外の素材が使われています。
・ドライタイツ
ドライタイツはクロロプレン製。
身体へ密着するよう設計されており、大体が前面チャック式で肩ひもはないです。しかし密着度合いが高いため、ずり落ちるようなことはありません。仮に水中で転んでも、中に入る水は最小限ですむでしょう。
その分脱ぎ着はしづらく、車の乗り降りが頻繁に発生するような釣行スタイルには向きません。
また、クロロプレン製のため保温力が高く、寒い季節に威力を発揮します。
・ストッキングウェーダー
クロロプレン以外の素材で作られている、タイツ型のウェーダー。身体への密着性は低く、肩ひもがあり、ずり落ちないように作られています。
ウェーダーの弱点である「一体型のため動き回りに向かない」を解消するための製品。ウェーダーの形状でありながら、ウェーディングシューズが着用できる、というすごい利点がある。
例えるなら「長靴」で長距離走をしていたものが、「シューズ」で長距離走ができるようになった、といった感じ。
ゲーターについて
ウェットウェーディングで使用するゲーターは、膝からスネまでを岩や障害物から守る必須アイテム。
靴下一体型と靴下分離型があります。分離型は別個でクロロプレン製の靴下を購入する必要があり追加費用が必要です。
靴下一体型は靴下部分の個別購入は必要ありませんが、穴が空いたり裂けたりしたときに、全体を買い換える必要がでてきます。ウェーダーとドライタイツの関係と同じですね。
おススメのウェーダー
ウェーダースタイル
・エクセル チェストハイウェーダー
源流域でバリバリの藪漕ぎをするなら、このくらいの値段の方もったいなくありません。むしろガシガシ使えます。
フェルトソールで滑りにくく、迷彩柄で木化け岩化けの渓流釣りには適しています。
ナイロン生地なので蒸れるのは仕方ありません。しかし、内側がメッシュ使用なので、汗によるベタツキが軽減されます。
胸部分にポケットがあり、簡単なものが入れられます。物が落ちないようマジックテープもつけられています。
・阪神素地 透湿ウェーダー
透湿性能を有する中で、かなりのコストパフォーマンスを発揮しています。
このウェーダーは透湿防水素材...生地の表面は撥水性・防水性で水をはじき、内部の湿気は外部に放出する…素材を使用しております。
ウェーダーのお陰で濡れてないのに、汗でベチャベチャというお決まりのパターンを回避するには透湿性能は必須!
使用しているのは、透湿防水素材の代名詞「ゴアテックス」ではありませんが、そこを差し引いてもこのコストは驚異的です。
透湿性能の他に、チェストハイの形状とフェルトソールも揃っており、基本はしっかり押さえてあります。
・シマノ 透湿ウェーダー
コスパの良い透湿ウェーダー。
シマノさんの独自素材「DRYSHIELD」が使われ、快適性にこだわった透湿防水ウェーダーだと思います。
ブーツ部は足の屈曲を妨げないソフト素材を使い、釣り場での足まわりの快適性を重視。
その上、靴底のフェルトには3本の切れ込みを入れて、グリップ力の向上を果たしています。
・ダイワ スーパーブレスウェーダー
透湿生地のダイワさんのウェーダーはこちら。
新しくなって、名前に「ネオ」がつきました。
蒸れを軽減する新素材「ブレスアーマーネオ」を採用しています。
名前は透湿性能を推していますが、機動力アップに力を注いでいるスタイルは前作と同様です。
動き回ることを考慮して、内側にジッパー付きのポケットを配置しています。貴重品も安心。動き回っても落ちる心配はありません。
フェルトソールには立体的な切れ目...「キュービックセンサーソール」が入れられており、グリップ力をさらに高めています。
また機動力アップのため、足首丈のショートブーツを採用しています。
タイツスタイル
・エクセル ドライタイツ4mm厚
値段が手ごろなドライタイツ。
4mm厚のクロロプレン生地のため保温力があります。渓流解禁直後の春場向きですね。
夏場には向きませんが、水の中に入っていれば気になりません。
熱中症には注意してください。
4mm厚もあるため耐摩耗性能が高く、多少の藪漕ぎにもビクともしません。
ウェーダー清掃後、干すときに便利なハンガー用のループが付いています。
・阪神素地 ドライタイツ 3.5mm厚
作りがしっかりしているドライタイツ。
膝パットが厚く岩場の多い源流向きです。パット以外の部分も丈夫に作られており、藪漕ぎ時に気を使う必要はありません。
デザインはシンプルですが、長く使える製品。
少しでも着脱しやすいよう前ファスナーとなっており、腹囲にあわせられるようマジックテープのチェストベルトが付いています。
阪神素地さんは縫い方も丁寧でおススメです。
・エクセル ストッキングウェーダー
こちらはクロロプレン製ではないタイプ。
コスパはかなり良好。
ストッキングタイプなのでシューズと別れており、動きやすい。さらに圧着されていないため機動力がアップ。
ウエストベルトと胸部の調整ヒモのおかげで、体型に合わせ密着させることが可能。もしもの転倒時、入り込む水の侵入を遅らせることが出来ます。
つまり動きやすさだけでなく、安全にも配慮されています。
足元はシューズの靴紐を固定できるようフックがつけられており、靴紐が解けないよう工夫されています。
靴紐が解けないことは安全につながり、釣りにも集中できるメリットがあります。
また、本体の厚みとソックス部分がネオプレンで作られているため、保温性も期待できます。
・ダイワ ストッキングウェーダー
ウェーダー専用4層構造の透湿素材「ブレスアーマー」を使用したをストッキングウェーダー。
高次元の透湿性能を持ちながら、藪漕ぎを想定し棘や枝の刺さり最小限に抑える表面生地を有しています。
お尻からひざ下にかけては、5層構造とし耐久性に磨きをかけています。
層が厚くなっていても、立体裁断で動きやすさと耐久性を両立させています。
その分値段はちょっとお高目。
ウェーディングシューズ
・リトルプレゼンツ ウェーディングシューズ
ソールが柔らかいため、グリップが良く渓流釣りに向いています。
水抜けもよく歩きやすくなっています。
耐久性もよく源流域でも問題なく使用できます。
ウェーディングシューズのスタンダート的な存在。
・リトルプレゼンツ ウェーディングシューズ上位版
上記リトルプレゼンツの上位版。
いかがでしたか?
長くなってしまいましたが、渓流釣りに合わせたウェーダーやドライタイツを紹介しました。
自分にあったスタイルで渓流釣りを楽しむ一助になれば幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
八幡でした。
はじめのての1本の渓流竿はこちら
ドライタイツやストッキングウェーダーにあわせる、ウェーディングシューズはこちらから
参考にしていただけたら幸いです。