どんな釣りにも楽しさがあります。
それと同時にどんな釣りにも危険が伴います。
どうも、八幡です。
釣りがフィールドに出で行う以上、危険は潜んでいます。
道路を歩いていると、交通事故に会うかもしれないのと一緒ですね。
しかし、交通ルールを知っていると危険が減るように、釣りの危険も知っていれば、比較的安全に釣りを楽しむことができます。
そこで今回は、ワカサギ釣りに潜む危険を紹介してみたいと思います。
ワカサギ釣りの2大危険
ワカサギ釣りにおける代表的な事故は「一酸化炭素中毒」と「落水」です。
全国的に見ると、残念ながら数年おきに、どちらかの事故で人が亡くなっているのが現状。
まずはそれぞれの危険を見てみましょう。
一酸化炭素中毒
一酸化炭素中毒はテント内での氷上釣りで、暖房を使用した時に発生します。
暖房使用によって、不完全燃焼によって生じた一酸化炭素がテント内に溜まり、中毒の原因となります。
一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結合しやすく、容易く中毒を引き起こします。その結合力は酸素の200~250倍ともいわれています。
つまりテント内に酸素がたくさんあったとしても、酸素結合は一酸化炭素に邪魔され、息を吸っても、ガス交換が行えなくなります。
空気中の0.02%の濃度(200ppm)に上昇すると、頭痛などの症状が起こり始めます。さらに濃度が上がるとめまいや吐き気などの症状が出て、意識消失。
最悪の場合、死に至ります。
一酸化炭素の厄介なところは、上記のような恐ろしい物質であるにも関わらず、その危険が認識されにくいところにあります。
一酸化炭素は無色無臭であるため、人間の五感では感知できません。
そのうえ、症状が出ても風邪症状などに似ており、気づきにくいのです。
症状が進み、一酸化炭素中毒を疑うときには、既に体の自由がきかず、昏睡状態へ。そして死亡事故へ発展してしまいます。
氷上ワカサギ釣りではテント内で行うのが一般的。
知り合いでもない限り、他のテント内とは交流がないのが普通です。
事故が発生しても、誰も気づきません。
だからこそ自己防衛が重要になります。
落水
ワカサギ釣りは大きく分けて3つの釣り方があります。
岸壁から釣る岸釣り。
ボートに乗って釣るボート釣り。
氷に穴を空けて釣る氷上釣りです。
そのいずれもが落水の危険をはらんでますが、特に氷上釣りはその危険が高いのではないでしょうか
ワカサギ釣りのシーズンは冬。水は冷水です。
人間の体は冷水に入ると、初期症状として過呼吸や筋肉の硬直が起こります。
落水のショックや初期症状でパニックになり暴れると、体力を無駄に消費し体温を奪われるほか、冷水が顔にかかり誤嚥や窒息の原因にもなります。
さらに身体を冷やし続けると低体温となり、体を動かすことができなくなり、意識は消失。
最悪、命を落とします。
ワカサギ釣りでは、落水しない方法を知っておくほか、万が一のために落水した時の対処法を知っておく必要があります。
事故対策
一酸化炭素中毒への対処法
先に述べた通り、一酸化炭素は無色無臭…気づきにくい物質です。
従って、一酸化炭素中毒に対処するためには、最初から「溜めない」ようにしなければなりません。
要はテント内で暖房を使用するときは、常に換気をしている必要があります。
最近のワカサギテントは暖房使用時に備えて「ベンチレーションシステム」を取り入れているものの少なくありません。
要は「換気窓」ですね。
テント上部や下部に換気のためのチャックがあり、あけると内部の空気が排出され、外気が流入する仕組みです。
当然、外気が流入する以上、寒い空気が入ってきて、暖房効率が落ちることは仕方ありません。
命には代えられませんからね。
また、一酸化炭素は人間の五感では感知できません。
なので、一酸化炭素を検知できる一酸化炭素警報機を用意するのも、事故を防ぐうえで有効です。
症状が出る前に警報が鳴ってくれれば、換気のタイミングが分かりますから、暖房と換気を効率よく行うことができます。
そもそもテント内で暖房を使わなければ事故は起こりませんが、場所によっては暖房を付けないとラインが凍ってしまって釣りができない、という釣り場も存在します。
ベンチレーションのあるテントやCO警報器を上手く使って、換気を心がけ一酸化炭素中毒の事故防止をしてください。
落水
岸釣り
岸釣りの落水を防ぐには「足を滑らせないこと」と「無理に氷を割らないこと」です。
岸釣りは、普通氷が張っていない湖面で行います。さらに氷が薄く簡単に割れるときは、延べ竿の届く範囲の氷を割って、その隙間から釣ったりもします。
長い棒などで無理して遠くの氷を割ろうとすると、バランスを崩して危険なので注意してください。
ボート釣り
ボード釣りでは「不安定な姿勢をとらないこと」と「荒れてるときは釣りをしないこと」です。
ボート上での不用意な移動や、不安定な姿勢は落水に直結します。ボート上では体勢を低く保ちましょう。
風などにより、湖面が波立っているときは落水の危険が高まるほか、荒れている時はボート自体の転覆危険すらあります。
少しでも危険を感じた場合はすぐ引き返したり、出航しない勇気も必要になってきます。
ボート釣りをする方は、万が一に備えてライフジャケットを必ず身に着けてください。
氷上釣り
氷上釣りは「氷の厚さを確かめること」と「無理をしないこと」です。
漁協などに管理されてない自由釣り場では、安全を確かめるのは自分たちしかいません。
最初に氷の厚さを確かめ、乗っても大丈夫か慎重に判断しましょう。
氷の厚さが大体10cm以上あれば、人が乗っても大丈夫と言われていますが、安全マージンとして15cmは欲しいところです。
大抵はシーズンになると、ベテランの地元の方が氷の状態を確認して、一番乗りしてくれてるのが普通です。
慣れてない方は、決して挑戦しないようにしてください。
湖面に先行者が確認できるときでも、先行者の足跡を追って、湖面にエントリーするようにしましょう。踏み固められているため、他から湖面に上がるよりも安全です。
特に岸際は地熱によって溶けやすくなっているため、湖面中央部より氷が薄い傾向がありますので注意が必要です。
他にも風が通りやすく波が立ちやすい橋の下や、水の流入がある支流や堰・水門の近くも氷が薄い可能性が高いです。
シーズン初めや終わりは氷の状態が不安定なので、特に注意が必要です。
そのような時は氷上釣りでも、ライフジャケットの着用も必要かと思います。
特にシーズン終了間際は穴の近くを歩いて通ると、穴の水面が大きく揺れたり、穴から水が上がってきたりします。
氷が限界間近のサインでもあるので、その日以降は釣りに行かないようにしましょう。
実際、八幡がワカサギ釣りの帰り際に穴の近くを通ったら、氷の上まで水が上がってきたことがありました。
この危険を感じた次の日に、落水事故が発生しました。
もし落水事故が起こったら
落水したらまずは浮くことが大事です。氷の下に入ってしまうことだけは、絶対に避けてください。脱出できなくなります。
ライフジャケットを着用していれば浮くのには問題ありませんが、着用している人の方が稀だと思います。防寒着は空気の層を造って熱を逃がさないようにしているため、防寒着だけでも浮く可能性が十分にあります。
そのためパニックにならず、まずは大人しくすることが大切です。
周囲の方は慌てずに119番して消防に通報しましょう。
可能であれば浮力のあるもの(空の2Lペットボトル、空のクーラーなど)にロープを結びつけて投げ渡したり、体温保護のため帽子や手袋などを渡して上げましょう。
氷が割れて落水した時はむやみやたらに両手をついて上がろうとしても、氷が次々
と割れて上がることができません。
自力脱出するときは、氷にかかる圧力が分散するように、腹ばいになって這い上がりましょう。なるべく多くの面が氷に接するように心がけます。
まとめ
ワカサギ釣りの2大事故は一酸化炭素中毒と落水です。
それぞれ、直接命に係わる重大な事故ですが、危険を知り対策をとることで予防することが可能となります。
ワカサギ釣りを毎年楽しむためにも、事故防止に努めましょう。
八幡でした。