鉱石採集を趣味にする人は周りにあまりいません。
探せばいるんでしょうが…
どうも、八幡です。
ヒスイ拾いは鉱石採集といっても、とっかかりは簡単です。
海岸で石を拾うだけですからね。
観光ついでに1~2時間体験しようという方は、沢山いるみたいですね。
しかし海岸はこんな感じ。
こんな感じがこのように続きます。
この中のどこかに、ヒスイがあると信じて探します。
しかもヒスイの出現確率は極小です。
ヒスイの原石がどのような物か分かっていないと、とてもキツイ。
キツイというか、はっきり言って苦行。
とりあえず、予習だけはしておいた方が良いでしょう。
ヒスイ原石の見分け方
まずヒスイとはどのような石なのか。
ヒスイはJade(ジェード)とよばれ、硬玉(Jedeite・ジェダイト)と軟玉(Nephrite・ネフライト) とに分けられます。
一般的に宝石として扱われるのは硬玉の方だけです。
詳しくはこちらをどうぞ。
・糸魚川の翡翠公房さん
https://www.itoigawahisui.jp/page/3
・糸魚川市HP
http://www.city.itoigawa.lg.jp/6527.htm
八幡が説明するよりずっと詳しく分かると思います。
重要なのはヒスイ原石の見分け方ですよね。
原石を探すときの見分け方は、大きく分けて4つ。
- 白っぽい石を探す
- 角ばった石を探す
- 石の表面に「味の素」のような結晶を探す
- 光の透過性をみる
ちなみにこちらが八幡が1年目にやっとの想いで拾ったヒスイ。
4つの見分け方に合致しています。
1、白っぽい石を探す
海岸を見渡して、まずは白っぽい石を探します。
ヒスイというと緑色というイメージがあります。
こんな感じでイメージしませんでした?
確かに緑色のヒスイもありますが、糸魚川で拾えるヒスイの原石の多くは白色です。
運が良ければ淡く美しい緑色が入っている、といった感じです。
まずは白色の石を探しましょう。
2、角ばった石を探す
ヒスイは糸魚川に流れ着くほとんどの岩石より硬いです。
流れ着いてくる途中でぶつかり合う際、ヒスイは硬いため角が削られ難いのです。
そのため角が残りやすい。
もちろん長年の自然の研磨により丸みを帯びたものもありますが、同程度の大きさの石同士をくらべると明らかに角ばっています。
3、石の表面に「味の素」のような結晶を探す
写真にはあまりうまく映っていませんが…
肉眼では全体に散らばった結晶が綺麗に見えています。
ヒスイの結晶はよく「味の素」に例えられます。
針先のように細い点状の結晶ではありません。
不規則な面で見える結晶でもありません。
学芸員さん曰く「ギラついて見える結晶はヒスイではない。」とのこと。
味の素のような大きさで、細かい長方形の形をしています。
曰く「ヒスイは長方形の粒がキラキラ見える。」だそうです。
初めてヒスイ拾いに行く方は、一度味の素を見ておいた方が良いかも。
ただし、長年波風で削られたヒスイは、結晶体が見えにくいので注意が必要です。
ルーペがあると便利。
4、光の透過性をみる
質の良いヒスイは光を透過しやすいです。
ライトを当ててやると、ほんわかと光が鉱石内に広がる感じ。
反対に他の鉱物が混ざり、質の悪いヒスイは光を余り透過しません。
注意してほしい点は、石英なども光を透過するということ。石英は光が透過しすぎて、キラめきすぎます。
小型ライトを持ち歩くと現地でも確認できます。
糸魚川市の海岸で採取できる他の鉱石
海岸に行くといくつもの種類の鉱石があります。
その一部を紹介します。
鑑定してもらったので間違いないと思います。
・曹長岩
曹長石からできている変成岩。内部にヒスイや白雲母を含むこともあります。
画像のものはヒスイが含まれていると鑑定を受けました。
ヒスイ特有の結晶は観察できません。
・流紋岩
マグマが地表で固まりできたもので、二酸化ケイ素が多く含まれている。
中には石英や長石が混じっている。
ごく普通に落ちています。
・石英
二酸化ケイ素からなる鉱物で、ごく普通にありふれています。
天然石になるような質の良いものはメノウとも呼ばれます。
結晶化していると水晶と呼ばれます。
・石英片岩
石英がおおい流紋岩質の溶岩や砂岩などが変成しできたもの。
よく緑泥岩などを含むこともあり、採取初心者をよく悩ませる石の一つ。
・ロディン岩
白色を目印にヒスイを探していると、よく間違える代表格がロディン岩です。
透輝石や葡萄石、斜灰れん石などからなる変成岩。
ヒスイと比べ角が丸く、結晶が観察できません。
・キツネ石
糸魚川特有の岩石名。
透輝石や葡萄石、斜灰れん石、石英などが入り混じった岩石。
緑色部分にはニッケルを含み、白色部分は石英やあられ石で出来ています。
綺麗な緑色をしており、大抵が丸みを帯びている。
・透閃石岩
角閃石の一種である透閃石からなる岩石。
鉄が多いと緑色が増します。少ないと白っぽくなります。
粒子が細かくなるとネフライト(軟玉)と呼ばれるようになります。
・姫川薬石
流紋岩質凝灰岩が姫川薬石の正式名称で天然ラジウム鉱石です。
表面はザラザラしており、多くの孔が空いています。
昔はケガや病気の患部にあてて、治療に使われてきたのだとか。
まとめ
紹介したヒスイ以外の他の鉱石は、糸魚川市の海岸で採取できる鉱石のごく一部です。
八幡は白色を狙って採取し、鑑定してもらっていたので、白色の鉱石が多いですね。
ヒスイ採取の際には、とりあえず一通り揃えてみるのも面白いかも。
実際に海岸でヒスイ拾いをすると、初めのうちは全く分からないため、心が折れそうになります。
さらに落ちている数もほとんどないため、経験から学ぶことも困難です。
一番いいのは信頼できるベテランの方と一緒に回って、すぐに鑑定してもらうことです。
でもそれも身近にヒスイハンターがいない限り、中々できませんよね。
そんな初心者の一助になれば幸いです。
八幡でした。