気がつけばそれなりの期間、レザークラフトを続けてきました。
それなりの数の作品も作っています。
とはいえ、まだまだやっていない項目も多いですけどね。
どうも、八幡です。
今回は初心者がレザークラフトを始めるにあたり、どんな道具が必要か紹介したいと思います。
最低限何が必要で、何があった方が良いか、とか。
100均でも揃えれるものはあるのか、とか。
あくまで八幡の経験上ですが、必要なものを紹介していきたいと思います。
まず始めに
最低限の道具を知るためには、まずレザークラフトの一連の工程を知らねばなりません。
レザークラフトの一般的な工程は…
- 型紙の作成
- 革のケガキ
- 床面処理
- 革の切り出し
- ガイドライン引き
- 菱目打ち
- 縫い付け
- コバ処理
こんな感じです。
最低限これらの工程がこなせるだけの道具が必要になります。
さらにボタン(ホック)を着けたいとか、模様を打ちたいとなったら、専用の道具が必要になります。
つまりレザークラフトは道具を一度に揃えることは困難。
まずはセットで購入し、そこから必要に応じて、買い足していくことをお勧めします。
とりあえず八幡が進めるのはこれ。
値段的に少々張りますが、個別で購入するより結果的にはだいぶ安上りです。
最初に揃えるべき道具(必要度A)
工程に合わせて紹介していきたいと思います。
百均で手に入る物は、見出しに(百)をつけておきますね。
1.型紙の作成
1-1.画用紙(百)
イメージした作品をパーツに分け、型紙を作成していきます。
マスメ入りの画用紙が便利。
百均で1センチきざみの画用紙が手に入ります。
初心者のうちはこれで十分です。
1-2.定規&カッター(百)
画用紙に線を引くとき、画用紙を切るときに使います。
なので、定規は金属製のものにしましょう。
長いもの、短かいものを揃えておくと取回しが楽です。
カッターナイフは太いものをお勧めします。
画用紙だけでなく、革も切ることになるので、太ければ力を入れても心配ありません。
細かいパーツ用にデザインナイフも用意しておきましょう。
もちろん下敷きも必要ですね。
これも百均においてます。
2.革のケガキ
2.千枚通し(百)
革に切り取り線をけがくために使います。
型紙に沿ってなぞることで、革に跡を残していきます。
他にも同様の道具として「銀ペン」がありますが、八幡は無くなる心配のない千枚通しを使ってます。
3.床面処理
3-1トコノール
革には表面と裏面があります。
表面は「銀面」、裏面は「床面(トコメン)」と呼ばれます。
裏面となる床面は、そのままでは繊維が毛羽立ちブサブサして荒れています。
そのため仕上げ材を塗り、均していく必要があります。
その仕上げ材となるのがトコノールです。
仕上げ材はトコプロなど他の製品もあります。
が、トコノールが一番メジャーですね。
3-2.ガラス板
ガラス板は床面に塗った仕上げ材を塗り広げながら、均していくために使います。
均していく道具としては木製のプレススリッカーなどもありますが、広い床面を均していくのは重量のあるガラス板が適しています。
プレススリッカーは細かいパーツの床面に使用しましょう。
ガラス板は床面処理の他にも、革を薄く漉く時にも使います。
4.革の切り出し
4.カッターナイフ(百)
型紙の他に、革も切ることにも使います。
革を切る専用の道具として「革たち」もありますが、初心者向きではありません。
八幡自身も革たちはほとんど使いません。
同じく革を切るなら、使いやすいカッターで十分です。
革を斜めに漉くときは「革たち」が使いやすいため、後々必要になってくるとは思いますが、初心者の内はとりあえずなくてもOK。
まずは自分の使いやすいカッターを用意しましょう。
5.ガイドライン引き
5.ディバイダー
革には菱目を打つ目安となるガイドラインを引く必要があります。
ディバイダーはコンパスのような形状2つの脚があり、脇についたネジで脚の幅を固定します。
片方の足を革のフチに沿って線を引くことで、革の上には一定間隔のガイドラインが引かれます。
ネジ式なので幅がズレる心配はありません。
同様にガイドラインを引く道具として「ネジ捻(ねじねん)」や先端の付け替え可能な「ステッチンググルーバー」などもあります。
形状や使い勝手が違うので、自分の使いやすい方を選びましょう。
6.菱目打ち
6-1.菱目打
布と違い、革は厚くて丈夫なため、前もって縫い穴を空けてやらなければ縫うことが出来ません。
その縫い穴を空けるための道具が菱目打です。
縫うところが曲線の場合もあるため、菱目打は異なる本目が複数必要となります。
最低限1本目、2本目、4本目が必要です。
菱目打には2.5~6mm幅までいろいろな物があります。
通常の手縫いであれば、まずは3~4mm幅を揃えるとよいでしょう。
6-2.木槌(百)
菱目を打つときには打ち付けるものが必要です。
通常は木槌やゴム槌で行います。
初心者のうちは百均にある木槌で十分ですが、専用の「ラウンドモール」という打ち具もあります。
ラウンドモールは穴あけや打刻といった用途に適した重心や重量に調整できます。
レザークラフトに慣れてきたら、ステップアップに考えてみてもいいかもしれません。
6-3.ゴム板
菱目を木槌で打ち付けた時、下になにか敷かなければ、テーブルを傷つけてしまいます。
その下に敷くのがこのゴム板です。
ゴムと言っても、板のようにとても固いものです。
様々な大きさがありますが、一番初めは大きいもので良いでしょう。
必要があれば小さいものを買い足していくと、無駄が出ないと思います。
ホームセンターで、似たようなゴム板が半額程度で手に入ります。
専用品と比べると、表面の加工が異なっていますが、使用に問題はありません。
7.縫い付け
7-1.縫い針
革を縫う針は布を縫う針とは違い、先が丸くなっています。
先に菱目打ちで穴を空けているので、無理に尖っている必要はないのです。
レザークラフトでは、縫うとき2本の針が必要です。
予備を考えると、5本程度は用意しておいた方が良いでしょう。
もちろん針の他に、糸を切るためのハサミも必要です。
裁縫セットのハサミでOKです。
7-2.縫い糸
レザークラフトに用いる糸はいくつか種類がありますが、初心者が使いやすいのは蝋引き糸です。
通常は麻の手縫い糸を用いますが、それにはロウを塗らなくてはいけません。
蝋引きの作業はレザークラフト特有のもので、好む方もいます。
が、すでにロウが塗ってある「蝋引き糸」を用いると手間が省けます。
初心者の内は他の作業を覚えるのに、容量を割いてもいいかと思います。
初めに複数色のセットを買っておくと何かと役立ちます。
ちなみに糸の縫い止め処理は火であぶるため、ライターが必要。
ライターは百均で十分です。
8.コバ処理
8-1.サンドスティッカー
革を縫い合わせると、どうしてもコバがズレてしまいます。
そのためまずはヤスリで削り、コバを合わせる必要があります。
サンドスティッカーは棒状になっているので、普通のヤスリより使いやすいです。
しかし多少幅が広いため、細かい隙間のコバを削るのは苦手。
削る面が丸みを帯びている「ドレッサー曲面型」なら力を入れやすく、細かいところも作業しやすい。
8-2.ヘリ落とし
コバとは革の側面の部分です。
その処理のため、先ずはヘリを落とさねばなりません。
革の側面の角を落としておかないと、いざ処理した時に反り返ってしまい、美しく仕上がりません。
また先端を付け替えることで「ステッチンググルーバー」もヘリ落としに使えるものもあります。
8-3.プレススリッカー
床面処理にも用いますが、本職はコバ処理です。
まずはコバに仕上げ材であるトコノールを塗布しておきます。
その後、スリッカーの溝で、コバを何度もこすりながら磨きます。
すぐに必要となる道具(必要度B)
最低限の道具ではありませんが、レザークラフトを続けていくとスグに必要となるであろう道具をあげておきます。
もちろん百均で手に入るものもあります。
・ゴムのり&ボンド(百)
接着剤はよく使うので、ほぼほぼ必需品です。
革を重ねて菱目を空ける時や縫い合わせる時、ズレないよう前もって仮貼りをすることが多いです。
その仮貼りに適しているのが、ゴムのりです。
貼り合わせる両面に塗り、半乾きの時に貼り合わせます。
本格的に貼り合わせる時はボンドを使います。
百均で手に入る木工用ボンドでもOK。
接着剤を塗る時はジラコヘラを用いると、はみ出しが少なくなります。
これも百均に置いてありますが、大小揃えておくと使いやすいですよ。
・ハトメ抜き
レザークラフトで作品を数個作っていくと、すぐに穴を空ける必要性にかられます。
ホックをつける。カシメをつける。ハトメをつける…などの工程には、まず穴を空ける必要がありますから。
革にハトメ抜を打ち付けることで、穴を空けていきます。
打ち付ける必要のない「穴あけパンチ」などもあります。
とても使い勝手が良くおススメです。
・各種打ち具、打ち台
ホックやカシメ・ハトメなど、打ち具と打ち台が必要なものが色々あります。
そしてカシメにしろ、ハトメにしろ、大きさや種類に応じてそれぞれ専用の打ち具が必要となります。
数が多いので、まずはセットもので揃え、その後必要な大きさを揃えていくのがいいと思います。
ちなみにホックには、主なものとしてジャンパーホックとバネホックがあります。
もちろんそれぞれに専用品が必要です。
あると便利な道具(必要度C)
必須ではありませんが、あると格段に作業がしやすくなる道具です。
レザークラフトを続けるなら、やがて必要になるでしょう。
既にレザクラを趣味にしている方は「もうなければ作業できない」と言うかもしれません。
・レーシングポニー
レザークラフトは針2本を両手に持って縫いすすめていきます。
つまり手で革を支えることが出来ません。
作品を美しく仕上げるためには、革を支える他の道具が必要です。
それがレーシングポニーになります。
作品が大きくなればなるほど必要性が増してきますので、続けていくならばいずれは必要になると思います。
DIYが得意な方ならば、自作することも可能です。
・菱ギリ
菱ギリは木槌等で打ち付けることなく、革に縫い穴を空けていく事の出来る道具です。
重ねた革に縫い穴を空ける時などに活躍します。
というのも、厚く重ねた革に菱目打で縫い穴を空けると、穴が大きくなりすぎます。そうすると縫い跡が美しく見えません。
しかし、菱ギリは根元まで太さが一定のため、革が厚くても一定の大きさの縫い穴になります。
取り回しがしやすく、ちょっとしたことに幅広く使えるので重宝します。
一つあると作業に余裕が出ますよ。
作品の質をあげる道具(必要度D)
スタートダッシュで必要なわけではありませんが、作品を綺麗に仕上げる、保護するためには必要な道具です。
資金に余裕が出来たら揃えることをおススメします。
・レザーコート
革を汚れや水分から守るための保護材になります。
液体状でハケなどで薄く塗って使います。
同様の保護材が色々な会社から出ていますので、好みのものを使いましょう。
革を切り出してパーツに分けた後に使います。
・オイル
仕上げ材のオイルになります。
こちらは出来上がった作品にウエス等で塗り込みます。
薄く、塗り広げるだけで十分です。
革にツヤが出るのは、気持ちがいいですよ。
・ラバークリーナー
革についた汚れを落とすことが出来ます。
はみ出した接着剤や銀ペン跡などを除去します。
使いすぎると、逆に汚れを広げてしまうので、ある程度のところで切り取りながら使用します。
とはいえ、百均のメラミンキューブでとれる汚れも多いのです。
まずはメラミンキューブで試してみましょう。(ただしメラミンキューブは革の油もとってしまうので、使った後は軽くオイルを塗ってあげましょう。)
道具まとめ一覧
上記を見やすいようにまとめてみました。
まずは必要度Aから順に集めましょう。
セットものを購入する際は一覧と見比べて、検討しましょう。
必要度A
- 画用紙
- 定規、下敷き
- 千枚通し(銀ペン)
- トコノール
- ガラス板
- カッターナイフ、デザインナイフ
- ディバイダー(ネジ捻、ステッチンググルーバー)
- 菱目打
- 木槌orラウンドモール
- ゴム板
- 縫い針
- 縫い糸
- サンドスティッカー
- ヘリ落とし
- プレススリッカー
必要度B
- ゴムのり、ボンド、ジラコヘラ
- ハトメ抜
- 各種打ち具・打ち台
必要度C
- レーシングポニー
- 菱ギリ
必要度D
- レザーコート
- オイル
- ラバークリーナー
おすすめのレザークラフトセット
パーフェクトセット
ちなみにパーフェクトセットという名前のセットですが、必要なものが全て揃っているわけではありません。
こちらのセットに足りないものと言えば…
- 画用紙
- トコノール
- カッターナイフ、デザインナイフ
- ゴム板
- ヘリ落とし
- ゴムのり、ボンド、ジラコヘラ
- 各種打ち具・打ち台
となります。
画用紙やカッターは百均で、ゴム板はホームセンターで安く購入できます。
コスパセット
あげてみると…
- 画用紙
- 定規、下敷き
- トコノール
- ガラス板
- カッターナイフ、デザインナイフ
- ディバイダー(ネジ捻、ステッチンググルーバー)
- 木槌orラウンドモール
- サンドスティッカー
- ヘリ落とし
- プレススリッカー
とりあえず以上です。
以下は余裕があれば買い足してください。
- ハトメ抜
- 各種打ち具・打ち台
- レーシングポニー
結局、追加の出費はそれなりにすると思います(;・∀・)
最後に
長く続ける意思があるならパーフェクトセット。
お試しならコスパセットから入るといいですね。
いずれにせよ、追加購入は絶対必要なので、あまり難しく考えすぎないようにしましょう。
百均やホームセンターで手に入るものも多いですから、上手に活用して費用を抑えましょう。
では、楽しいレザクラライフを!
八幡でした!